■ FIAT 500L Overhaul Intermission ■
俺の500

写真1.1998年12月27日、イタリアにて #1
日本へ渡航する前日、イタリア現地のモータープールで撮影された筆者の500。このアグファの印画紙に焼き付けられた銀塩写真の裏には、手書きで「FIAT 500L」、「Ivory 222」、「CH.Nr:5032653」との記載がある。イタリア現地のワークショップにて、色番号222番のアイボリーに全塗装されたこの500は、明日から約2ケ月に渡る航海を経て、東京に上陸することになっているのだ。出航直前の写真がコレ。

 筆者の500は、1998年11月15日、東京都内にあった某ショップで購入したものだ。FIAT 500の購入は、基本的にBTOであるため、受注後イタリアで塗装、メンテナンスを開始し、日本へ輸送されてくることになる。従って、購入した時点では、筆者は自分のクルマがどのような外観をしているかを見ていない。内装、外装の色と年式(Lタイプ)を指定したのに過ぎなかったのだ。。。

 さて、上記に掲載した写真は、1998年12月27日に、イタリア現地のモータープールで撮影されたものである。塗装を終え、明日にも船に積み込まれる500を、現地エージェントが撮影し、東京へ郵便で送ってくれたものだ。船便による輸送には約2ケ月を要するため、筆者が現車を見たのは、実はこの写真が初めてだったのだ・・・

 そぼ降る雨の中、舗装されておらず小石だらけの寂れたモータープールの一角で、フロントボンネット半開きの状態で撮影されたこの500の表情は、なんだかとっても寂しくて不安そうである。これから向かう異国の地で、一体どんなオーナーが待ち受けているのか?新オーナーはキチンとメンテして乗ってくれるのか?「嫌だ!オレは行きたくない!」とでも言っているような表情だ。とにかく、筆者が最初にこの写真を見た時に感じたのは、このようなことだった。

 その後、現車は1999年2月24日(水曜日)に、横浜港に無事到着。関税手続きを経て都内のショップのヤードに保管された後、3月21日(日曜日)に筆者宅へ納車された。

写真2.1998年12月27日、イタリアにて #2
写真1と同日、イタリアのモータープールで撮影された後ろ姿。荒れた地面と鉄のフェンス、そしてその向こうに佇む古いクルマ・・・見れば見るほど寂しい風景だ。


 納車から8年半が経過した2007年10月某日、引き出しの奥にしまってあったこの写真を、久しぶりに出して見る。早いもので、このクルマにももう8年以上乗ってきた。途中2年半近く、露天駐車されていたこともあり、内装、外装共にかなり痛んでいる。一見キレイに見えるものの、細部を良くみれば、ヨレヨレだ。幸いPart Iでも詳細を記載した通り、2005年にはオンタリオSSさんにてエンジンのオーバーホールを無事終了し、機関的には絶好調ではあるものの、内外装のヘタりは隠せない・・・

 というわけで、再度一世一代の大仕事に出すことになったのである!「FIAT 500 全塗装計画」の発動だ!時に2007年10月10日、筆者は、このクルマを再度全塗装することを決心した!モチロン、お世話になるのは、前回のエンジン・オーバーホールを対応して頂いたFIAT 500の専門店、「オンタリオSS」さんである。

 筆者なりの、500のある意味「最終進化型」を目指すべく画策された今回の「全塗装計画」。これからその詳細をご紹介する予定である。乞うご期待!!!

写真3.1998年12月27日、イタリアにて #3
写真1と同日、イタリアのモータープールで撮影された室内。当時はまだ内装をリビルドしたばかりなので、一見キレイに見える。ピンボケなのは、きっと撮影者の腕が悪かったのだろう。助手席のフロアにはホイールが転がっていたりして、なんか殺伐とした写真になってしまっている。

写真4.1999年2月、東京都下の某所にて撮影されたもの
約2ケ月の船旅を終え、東京某所のヤードに輸送されてきた筆者のFIAT 500。この写真はポラロイドで撮影されている。登録等の処理が行われていないため、ナンバープレートも車検シールも貼られていない。無事東京に到着し、ホッとした表情にも見える。2007年10月の時点で数えて、あれからもう8年半。時の経つのは早いものだ・・・


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取材協力
オンタリオSSさん


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