■ タペット調整 ■

チンクはOHVエンジンなので、タペット調整は容易である。マニュアルには
1万km毎に調整を行うと記載されている。               

タペット調整                           

タペット調整は、エンジンが冷えている状態で行うのが好ましい。先ず、エ
ンジンのトップについているカムカバーを外す。このカムカバーは、トップ
の2ケ所のナットで固定されており、ボックスレンチで取り外す。ワッシャ
ーが付いているので、無くさないように注意すること。         

カムカバーを外すと、写真1のようにバルブがむき出しの状態になる。この
状態で、ダイナモのプーリーを手で回して、バルブが上下することを確認す
る。チンクは2気筒なので、プーリーを手動で回転させると、片側の2個1
組のバルブが上下し、もう一方の2個1組のバルブは停止しているハズだ。
タペットの調整は、この停止している組のバルブに対して行う。     

次に、ピストンを上死点に合わせる。プーリーにはマーカーがついているは
ずだ。筆者のチンクの場合、写真2のように黄色のマーカーがついている。
これを合わせることで、ピストンを上死点に持って行くことができる。  

上死点に合わせたところで、停止している組のバルブを調整する。タペット
ナットをレンチで緩め、隙間ゲージ(シクネスゲージ)を挟む。ゲージは 
0.15mm程度が適切といわれている。この状態でタペットボルトをペン
チで挟んで回し、ゲージを前後させて適切な間隔となるよう調節する。調整
が終われば、タペットナットをレンチすれば良い。その後、プーリーを回転
させて、もう片方の組の調整を行えば、終了である。          

調整が終わったら、カムカバーを元に戻す。これを忘れてエンジンを始動さ
せると、エンジンオイルが飛散するというとんでもないことになるので、注
意。なお、カムカバーを固定するナットは、きつく締めすぎないように留意
すること。またカムカバーにはガスケットが付いているので、付け忘れない
ように注意する。                          

写真1:カムカバーの内部

写真2:上死点の位置を示すマーカー

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